イレッサ訴訟|看護師用語集

イレッサは、2002年にアストラゼネカ社から発売された肺がん治療薬です。「副作用が少ない上に飲みやすく、従来の抗がん剤より効き目が高い」などと宣伝され、夢の薬と期待されて発売されましたが、強い呼吸困難を引き起こす間質性肺炎等の副作用を発症したことにより、死亡する患者が相次ぎました。副作用で死亡した患者の遺族が、副作用の危険性について十分に知らされていなかったとして、イレッサの承認を行った国と販売元のアストラゼネカ社を相手に、東京と大阪で起こした2件の裁判がイレッサ訴訟です。

裁判の経過

第一審において、大阪地裁判決は国の責任を認めなかったものの、アストラゼネカ社の添付文書に対する指示・警告上の欠陥を認め、原告が勝訴しました。また、東京地裁の判決では、アストラゼネカ社の責任に加え、国が致死的な副作用の危険性を認識しながら、添付文書に記載するよう行政指導を行わなかった責任を問われ、賠償が命じられました。

しかし、第二審では国とアストラゼネカ社の責任が否定され、原告側敗訴となりました。原告側は上告しましたが、最高裁はイレッサの副作用について、承認および発売の時点においては他の抗がん剤と同じ程度であると考えられており、間質性肺炎が急速に重篤化することは予見できなかったとして、当初の薬剤添付文書についての欠陥はなかったものと結論づけ、原告側の上告が退けられたため、2013年4月、原告側の全面敗訴が確定しました。

イレッサ訴訟から学ぶこと

イレッサ訴訟では原告側が敗訴となりましたが、患者やその家族だけが思い副作用について受け止めなければならないのでしょうか。副作用の救済制度や安全対策、薬剤選択に伴うインフォームド・コンセントのあり方など、社会全体で考えていくことが大切です。

イレッサは申請から5か月という異例のスピードで、世界に先駆けて国に承認されました。ところが、副作用の死亡例が多数報告されるようになり、当初イレッサと死の因果関係は明確ではありませんでしたが、慎重な投与を求めるために国がアストラゼネカ社に対し緊急情報を出すように指示したのは、承認から3か月も経ってからのことでした。

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命に関わるような疾患を抱える場合、たとえ副作用があったとしても、新薬が望まれるケースは少なくありません。薬の承認のスピードアップを願う声は大きく、国や製薬会社は副作用などのデメリットについても、広く情報を周知するよう努力していく必要があります。

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